「第1歩を踏み出す。」~HFA@ライフ レビュー会 レポート~

2019-03-24-日

2019年1月17日サイバーシルクロード八王子にて、「HFA@ライフ レビュー会」が行われた。HFA@ライフは、フィリピンにて人材コンサルテーションを行うSALEFULL JAPAN株式会社の協力のもと、HFAの企業がフィリピンに赴き、現地の大学生に向けて企業紹介のプレゼンを英語で行う。企画の目的・趣旨そのものは参加する各企業によるところはあるが、いずれも海外展開を視野に入れた今後のビジネス戦略を立てていくための土台作りであり、「とにかく行動を起こす」ことに重きを置いた企画と言える。具体的には、海外展開に興味がある企業や、ビジネスのヒント探し、HFAメンバーとして活動の幅を広げたいなど、HFA@ライフに参加する目的は企業・メンバーにより様々だ。

今回は、昨年末12月に3泊4日の日程でフィリピンへと赴いたメンバーにより、参加した目的・実行後の感触・課題点などのレビューを行った。参加した企業は(株)東建の東山氏、(株)テクノスの原田氏、ビデオトロン(株)の廣濱氏、(株)ナカダイの中嶋氏、(株)ナラハラオートテクニカルの内野氏の5社だ。訪れたのは、フィリピンでトップクラスの理系大学「マプア工科大学」。フィリピンの主要な技術学術機関であり、最大の工学学校でもある。フィリピンでは英語は、第2公用語として広く用いられており、当然各社によるプレゼンも英語で行うことになる。現地では英語での資料作成から始まり、大学でのプレゼンテーション、英語での戦略会議といった流れで、到着日と帰国日を除く丸2日間を現地のサポートスタッフとともに自社について考え、海外展開していく行程を体験していく。

 そんな日程をこなしてきたメンバーからは、「また今後も継続的にフィリピンに訪れて次に繋げたい」という言葉が聞かれた。私たちの様な中小企業では、経営者や管理職と言えど、日常の業務ではプレイヤーとして手を動かしている人も多い。そんな多忙な業務を数日割いてフィリピンへ赴くことは容易な事ではない。時間や経費をかけて海外へ行くことは「先行投資」とも言え、そこにはやはり、これから自分たちの会社をどう経営し、どう発展させていくかという使命感と危機感があるからこそ、行動力として表れているのだ。今回のレビュー会で発表をしている各メンバーからは、晴れ晴れとした自信の表情が伺え、フィリピンへの視察で得たものが大きかったようだ。それには、市場調査の必要性や、受注の方法など、これから海外展開へ向けてやるべきことが少しずつ具体的に見えてきたことが大きい。「引き続き海外展開に向けて取り組んでいきたい」、「またフィリピンへ必ず行きたい」との意気込みの言葉から、各メンバーの決意を感じ取ることができた。

一方で、課題点も浮き彫りに見えたところもあった。どのメンバーも「英語の壁」には苦戦を強いられたようであった。コミュニケーションが取れないだけでなく、自社のことを英語で話すだけで精一杯で、海外でビジネス戦略をたてるのはなかなか難しいと壁を感じる一面もあったようだが、逆にこれからでもビジネスで使える英語力をマスターしたいという目標もできた。その他、具体的な課題点としては、会社のホームページ・ECサイトの英語化や、カタログなども含めた自社製品の英語化などである。帰国後すでに取り組み始めたという報告もみられ、海外展開を視野に入れた動きは活発だ。また、短い日程だったために、自社の事業や製品がどれくらいの市場やニーズがあるかまでは今回はわからなかったという報告もあった。市場調査や情報収集が欠かせないということもより明らかとなり、海外展開していくための準備の必要性に釘を打つ形となった。課題は多いが、その反面、幅広い視野で事業展開をし、既存の事業に囚われない商品・サービスの多様化の必要性を感じるといった、新しいビジネス展開への糸口も大きな収穫として手ごたえを感じたようであった。

冒頭でもふれた様に、参加したメンバー各社が、現地に実際に足を運んで「何を感じて」「これからどう動いていくか」「何を決めるか」は、それぞれである。どんな分野においてもビジネスの変革の激しい時代に事業承継をひとつのテーマにしたHFAだからこそ、この気付きや行動を起こすことが必要なのだ。HFA@ライフはそのきっかけとひとつでしかない。第1歩目は踏み出したばかりだ。