効果的な投資、出来ていますか?「投資効果計算」の勉強会

2018-01-30-火

2018年1月某日、HFA研修委員会による勉強会が行われました。

これまでも数回に渡り、決算書の読み方等、財務の視点で会社を見る為の勉強をして参りました。

今回はもう一歩踏み込んで、メンバーの会社を実際にコンサルティングして頂き、その課題や解決策を共有する事で、各々の企業に活かしていこうという試みを行いました。

講師には(株)中島マネジメント事務所、中島宏機先生をお招きしております。

 

メンバー企業が先日、設備投資を行ったという事で、果たしてその設備投資が適切なモノなのか、利益をしっかり出して投資分を回収出来るのか。今回はそういった課題を題材に勉強を行いました。

設備投資を行う上で考える指針となる「投資効果計算」の方法、考え方をレクチャーして頂きました。投資の費用と効果を客観的な数値として分析する事で、投資を見える化し、その上で本当に会社にとって効果的な投資であるのかを見極める為の方法論です。

その投資は企業価値を高める為のものなのか。会社の弱点を埋める為のものか。
利益を増やす為に投資したつもりが、投資が生む効果が少なく、逆に支払いが増える事で経営を圧迫していた、なんて事になってしまっては本末転倒です。そういった事態を避ける為にも事前の見極めが大事になります。

 

まず生産性の向上を安易な投資に頼るのではなく、まず現状の設備や人員でどんな改善が出来るのかを考える事が大事で、本当に必要な出費であるのか、よくよく検討する必要があるとの事でした。
生産性向上の為の一例として、一人が多くの仕事をこなせる多能工化ジョブローテーションといった考え方を学びました。

 

投資によって増加する固定費(設備代、人件費、保険料、修理費、金利、等)が投資する事によって増加する粗利でカバー出来るのか、そして何年で投資した資金を回収出来るのか(投資回収年)、設備投資を例にした仮想問題を解きながら計算方法を知りました。

 

そして大切なのが、計算したものを実際の動きと照らし合わせて検証する事。計画通りに行くことはまず無いので、その後のフォローをしっかり行わないとせっかくの投資効果計算も意味が薄れます。結果を検証する事で、経営の次の一手を考える大きな指針になるのです。

先生が実際に経験した企業の例では、投資をしたという事に囚われて、その後の検証が不十分であった為に、その事業の撤退が遅れ、かなりの赤字を垂れ流す結果になった事もあったという事でした。

 

またこの手法は設備だけではなく、人材へも応用出来る考え方です。
経営資源の乏しい中小企業にとっては一つの失敗が手痛い打撃になる事も大いに考えられます。弊社も設備投資を考えておりますので、今回学んだ事を活かして、次の投資に挑みたいと思います。