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HFA企業訪問インタビュー 第3回

2011-08-10-水

株式会社アプリクス「最先端分野に生かすアイディア 計測から、分解、発生へ」

訪問先 : 株式会社 アプリクス
所在地 : 〒192-0031 東京都八王子市小宮町934-11
電  話 : 042-646-9188
ホームページ : http://www.applics.co.jp
E-Maill : info@applics.co.jp

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第3回目の会員企業訪問先として、オゾン計・pH/ORP計・溶存水素計をメインに製造する測定器メーカー「株式会社 アプリクス」を訪問し、次期承継者として活躍する桧垣 賀千さんにお話しを伺った。(取材日:2011年8月4日)

株式会社 アプリクス
桧垣 賀千さん

  

桧垣 賀千さんの紹介

 桧垣 賀千さんは、愛媛県今治市で、昭和52年5月に生まれた。
 その後、3歳?東京都杉並区で育ち、工学院大学 工学部工業化学科を卒業した。
 大学卒業後、IT関連企業,ハウスクリーニング、ビルメンテナンス業,オンラインゲームのイベント企画,半導体開発等の多種多様に渡る企業で経験を積んで現在、父親が経営する「株式会社 アプリクス」へ4年前に入社する。
 桧垣 賀千さんは、八王子市,八王子商工会議所,サイバーシルクロードが主催する次期後継者育成塾「八王子みらい塾」(HFAの発祥母体団体)を3期生として卒業し、現在HFAの癒し系担当として、笑顔(写真は厳つく見えるが、)を振りまき、HFAでの活動に尽力頂いている。
 桧垣 賀千さんに、「現在の趣味は?」と訪ねたところ、「仕事」「オンラインゲーム」「草野球」と答えた。「仕事」...さすが。「オンラインゲーム」...コメントを控えます。「草野球」...なんと、高校球児で、主将まで勤めたとの事。(あのマッチョな体はそのおかげ?)
 最後に、今回の取材をお受け頂くにあたり出された条件が、「現在、独身 恋人募集中」の告知を掲載する事でした。だんだん、砕けた内容の文書になってきたので、企業紹介へと続く。

  

企業紹介

 株式会社アプリクスの事業内容は、「分析機器・計測機器の企画開発及び製造販売」とある。
 分析機器・計測機器と言っても多くの製品,製造メーカーがあるが、株式会社アプリクスは、「オゾン」という物質に特化した世界初であろう分析機器・計測機器製造メーカーである。
 「オゾン」という言葉は、よく耳にすると思うが実際どういうものかと言うことを理解している方は、少ないであろう。かく言う筆者も良く分かっていない。
 そこで、桧垣 賀千さんに訊ねてみたところ、酸素の元素記号は「O(オー)」であり、空気中に存在する一般的に酸素と呼んでいるものは、「O2(酸素元素が二つ)」のものである。「オゾン」とは、「O3(酸素元素が三つ)」のものの事を呼び、本来「O2」の状態が分子として安定している。その様な背景より不安定分子である「オゾン」は、他の物質と結合しやすく強力な酸化力を持ちながら、簡単に無害な酸素へと分解する効力を有している。
 その特性を生かし「オゾン」は、半導体製造に欠かせないシリコンウェハーの洗浄や、大手ファミレスチェーンの店舗を代表に、学校、介護施設、病院、オフィス等の厨房、トイレ、グリーンストラップ等の殺菌・消臭に多く利用されている。そこで必要になってくるのが、「溶存オゾン濃度」を測定する株式会社アプリクスの「分析機器・計測機器」なのである。

携帯型 定電位電解法オゾンガスモニタ

脱着式センサ方式を採用。センサ部の交換後の校正を本体の引取りを行なわず、新センサの納入、旧センサの返却のみで行なえる。

納入前のセンサ群。厳しい調整、検査を経てユーザへと出荷される。

整理・整頓が徹底された作業場、事務所風景

オゾン測定機器の出荷前,検査工程,装置を説明する桧垣 賀千さん

pH/ORPを管理するpH/ORP計の検査工程

  

今後の事業展開

 桧垣 賀千さんに今後の株式会社アプリクスの事業展開についてお話を伺った。
 元来「オゾン」の測定をメインに開発,製造・販売を行ってきたが、「オゾン」の持つすばらしい効力を世の中に広めて行きたい。
 そこで現在力を入れているのが、「オゾン」を分解・発生させる装置の開発・製造・販売である。オゾン空気清浄器や脱臭器、オゾン水質改善装置などである。現在、着実に製品化に成功を収めているが、まだまだ改善の余地を残している。多くの方々に利用して頂ける様、民生向けのコストダウン・外観構造の改良など夢は膨らむばかりだと桧垣 賀千さんは、笑顔で語ってくれた。

オゾンガス発生装置 ぐりトラ10

オゾンの風を体感する若林記者

  

◇◇◇ 編集後記 ◇◇◇

 今回は、私、小川と若林記者,坂本記者の3人で訪問しました。
 正直、株式会社アプリクスは、何を作ってるの?「オゾン」て何?からのスタートでした。桧垣 賀千さんの丁寧な説明を受けて、全てとは言えませんが、ある程度の勉強,理解をする事が出来たかと思います。中学,高校以来の化学授業を聞いた気分です。
 今、編集業務をしながら思ったことは、「企業選定失敗した。」「纏めるのが難しい」「本当にこの内容であっているの?」と心配になっています。反面、「オゾン」という物質のすばらしさに感動を覚え、株式会社アプリクスの将来性に期待を感じます。
 100年に一度の不景気、1,000年に一度の大災害が起きたなどと言われている現在、決して我々を取り巻く環境が良いとは言えません。株式会社アプリクスでも大口の受注案件が棚上げになったり、苦労話をお聴きいたしましたが、株式会社アプリクスが日本の救世主にならんとする事を期待します。(弊社も頑張りますが...)
 株式会社アプリクス様、桧垣 賀千さん御忙しい中、御協力有難う御座いました。

HFA企業訪問インタビュー 第2回

2011-05-30-月

オーディオテクネインコーポレイテッド「信念のモノづくり」

訪問先 : オーディオテクネインコーポレイテッド(以下、オーディオテクネ)
所在地 : 〒192-0012 東京都八王子市左入町596-4
電  話 : 042-691-2678
ホームページ : audiotekne.com
E-Maill : imai@audiotekne.com

今回は企業訪問先として海外でも高い評価を受け、本物のオーディを追い求め製作する「オーディオテクネ」様にお伺いし、今井代表にお話を伺った。(取材日: 2011年2月16日)

オーディオテクネ 今井 清明代表

  

今井代表の生い立ち

 今井代表は幼い頃から機械いじりに夢中になり、電気機械の仕事がしたいと、高校卒業後に大手音響メーカーに入社。その後1978年に現在の「オーディオテクネ・インコーポレイテッド」を創業した。

 当時は大手メーカの下請けが主だったが、流行の製品、売れる製品への疑問を持ち始めた。

 「本物の音楽を楽しめるような物を誰かが作らなければ」と決意。本物の音を聞く為にコンサートへ幾度も足を運び自分の感性・耳を磨いた。同時に3年の時間を掛けて自信の持てる真空管アンプを完成させた。
「良い、悪いではなくて正しい音を求めたい」という本物へのこだわりは、アンプだけではなくスピーカーや、プレーヤー、ケーブルとシステム一式を手掛けるようになった。

  

仕事への信念

 今井代表は云う「うちの製品はどこでも製造できる、但し手間ひま、損得商売を考えると大きな会社では出来ない」と。確かに損得商売で考えるならば採算効率を考え、流行を取り入れ大量生産という図式が成り立つ。しかしそれでは本物が作れない。だから大きな会社は真似できないという。
本物を作るということは自分も本物に近づく努力を惜しまず、決してぶれることのない信念を持って製作するということ。

 販売方法も買い手に余計な情報を入れず、もちろん店頭販売も行わずにじっくりと、ただ音を聞いてもらう。そして納得したお客様だけに販売する。自分の作った物に自信がなければ出来ないことです。普通であれば購買欲を煽り、口八丁手八丁で1台でも多くの商品を売るのに必死になるはずですが、そういうことは一切行わずただ音を聞いてもうらうだけです。

 オーディオは趣向品なので売りつけるものではない。オーディオ製品の良し悪しは情報で判断するのではなく音で判断する。
今井代表は商売が下手だと話して頂きましたが、そこから読み取れるモノづくりへの拘りと信念が「製品作り=商い」を「製品作り=本物の価値」という形にし、その価値が分かる人に買って貰えればその製品は飽きられることなく一生物になる。

日本の製品は時代の流行を取り入れ大量に作るとどれも似たり寄ったりになってしまうと言う。偏に日本人は感性が乏しいともいえる。感性=知識が豊かであれば物の判断する力が育つ。

  

製品について

 真空管を使用したアンプをはじめ、製作されている製品は、40種類にも及び、どの製品も海外では高い評価を受けています。しかし、オーディオテクネが評価されているのは、録音媒体よりも試聴する人への音楽を提供するトータルコーディネイトではないでしょうか。プリメインアンプ、フラットアンプ、メインアンプ、イコライザーアンプ、レコードプレーヤー、MCカートリッジ、MCトランスフォーマ、ライントランス、アクセサリーに至るまで、対応しています。

原音を聴くための装置へのこだわりは、製作する側だけではなく、購入する人にも要求をしています。音楽に対する認識からはじまり、製品作りのコンセプト、そして、製品の説明、試聴とすべての話を聞くことにより製品の価格も納得出来ます。

 特にオーディオテクネを訪れた際に見逃してはならないのは、アンプなどの機器の内部、レコードプレーヤーです。

 レコードプレーヤーに至っては、ぜひ、製品の実物をみて確認していただきたいです。ちなみに オーディオテクネホームページ(URL http://www.audiotekne.com/)には、製品だけではなく、音楽をオーディオ機器を通して聴くことのヒントも見ることができるのでぜひ、覗いてみて下さい。

 オーディオテクネだからこそ出来る製品内部までのこだわり、独創的な発想による製品作りは、一見の価値だけではなく、何度でも訪れる価値があるはずです。

  

◇◇◇ 編集後記 ◇◇◇

 今回はオーディオテクネに訪問させて頂きました。取材メンバーは加藤、橋本、青木の3名でした。私は初の訪問だったので一歩踏み入れた時になんてアットホームな空間なんだろうと思い、思わず趣旨を忘れてせかされる前にソファにダイブしそうになってしまうほどでした。
 今井代表の話はモノづくりに関わらず、その世界観は圧倒的で視野が広く徹底したモノづくりへの拘りとは真逆の視野を持っていると感じました。海外での評価も文化の違いはあれど真実が一つであればそれを追い求めてきた製品はどこでも通用するものだと思います。ブレない信念を持ってモノづくりに懸ける情熱は共感する部分も多々あり、量産品を主に扱っている私には耳が痛い話でもありました。
 そして忘れてはいけないのが、バリスタさながらの「エスプレッソ」です。良い音楽を聴きながら美味いコーヒーで・・・なんて優雅な時間を過ごさせて頂きました。趣向品を扱う空間だからこそ必要なことなのかもしれません。(青木)

HFA企業訪問インタビュー 第1回

2011-05-20-金

株式会社ブックセンターいとう「知識のリサイクル」

訪問先 : 株式会社 ブックセンターいとう
所在地 : 〒192-0351 東京都八王子市東中野533
電  話 : 042-676-7376
ホームページ : book-center.co.jp
E-Maill : info@mx.book-center.co.jp

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古本販売を軸に、古着、宝飾品、玩具、ゲームソフトなど、多彩な商品を取り揃えて、リサイクル業を展開し、八王子近郊に地域最大規模の16店舗をかまえる「ブックセンターいとう」。従業員260名を統率し、日々奮闘する若きリーダー、橋本圭二副社長のお話を通じて紹介したいと思います。(取材日:2011年2月5日)

株式会社 ブックセンターいとう
橋本 圭二副社長

  

「出会い」? まちの古本屋さんとカリスマ経営者 ?

 橋本副社長は、八王子市東中野に1970年、橋本家の次男として誕生する。幼少の頃から学生時代を通じて市内で過ごす、生粋の「はちおうじ人」である。
 きっかけは、大学時代のアルバイト。知人の経営する古本屋で働くようになるが、その古本屋こそ、ブックセンターいとうの前身である「伊藤書店」。当時は、古本を扱う「伊藤書店」と、中古品を扱う「伊藤商店」の2店舗に分かれていた。橋本青年は、昼間は大学の授業の合間を縫って、商店で商品の荷出し、陳列を行い、夜は遅くまで、書店で古本と格闘した。ほとんど休みなく働くうちに、自分で選んだ品物をお客さんが喜んで買っていく光景を目の当たりにし、「商売の楽しさ」を感じた。大学生にして「商いの醍醐味」を知ったのである。
 もうひとつの出会いは、伊藤社長との出会いである。父親の知人であり、以前から付き合いはあったが、いざ実際に、部下として働いてみると、仕事に対するあくなき姿勢、人柄にたちまち魅かれた。伊藤社長は、リアカーひとつで古紙回収から身を起こした、まさに立志伝中の人物だ。そのバイタリティあふれる経営者の姿が、橋本副社長の目標になったことは想像に難くない。
 橋本副社長は、学業との二足の草鞋をこなしつつ、遮二無二働いた。そして、いつしか、アルバイトの身で、店長業務をこなすまでに成長していったのである。

  

事業の拡大 ? 伊藤書店からブックセンターいとうへ ?

 橋本副社長が入社した当時、伊藤書店は大きな変革期を迎えていた。多摩ニュータウン計画により、多くのひととモノが多摩地区に流れ込んできた。リサイクル業という業態が世間でもあまり認識されていない当時、伊藤社長は、事業の拡大へ舵を切る決断をする。多くの建設労働者が集まるこの地域で、生活用具の需要があると踏んだのである。さらに、都心のベットタウンとして、多摩地区に全国からひとが集まるようになれば、巨大なマーケットが見込める。伊藤社長はそう確信した。この狙いは見事的中し、順調に業績を伸ばした。さらに、バブルの追い風に加え、30以上もの大学を擁する学園都市に発展した八王子に学生があふれ、古本のニーズがさらに高まった。
 これまで「伊藤書店」と「伊藤商店」の2店舗経営であったものを、中古品販売を信頼できる部下に任せて独立させ、個人商店だった「伊藤書店」を「株式会社ブックセンターいとう」と商号を改め、会社組織化した。
 そうした流れの中、橋本副社長は、大学卒業後、正式に入社。ほどなく、店長へ抜擢され、統括マネージャ、そして、副社長へと異例のスピードで出世を遂げた。
 アルバイト時代から副社長の地位に登りつめるまで、橋本副社長には、一貫した「こだわり」があった。それは徹底した「現場主義」。「副社長としての立場を考えて欲しい」と揶揄されることもあったが、これだけは譲れない。「現場作業は自分たちの役割ですから」と現場の社員に逆に諭されることもしばしばあったが、今でも橋本副社長は、現場に足繁く通い、実際に商品を手にとってみる。立場が変わっても、現場こそが橋本副社長の「原点」だからだ。

  

立ちはだかる2つの壁 ? 大手リサイクルチェーン店との競合、電子書籍の登場 ?

 現在、ブックセンターいとう、そして、橋本副社長は大きな岐路に立たされている。リサイクル業が市民権を得た昨今、全国チェーンの大手リサイクル店が台頭。昔からの地の利を生かし、地域密着で、キメの細かいサービスで対抗してきたが、大手には物量的に圧倒されてしまう。学園都市・八王子のニーズに合わせ、大学教材などの取り扱いを増やし、顧客の囲い込みを図るが決定打にならない。もちろん、インターネットでの買取、販売などを行ったり、商品も、メインの古本に加え、CD・DVD、古着、宝飾品、模型、ゲームソフト、トレーディングカードなど、多品種に渡り取り扱い、幅広い層のニーズに対応しているが、大手との差別化が図れないでいる。
 そして、技術革新による電子書籍の登場。マスコミでは、「ペーパレス時代の幕開け」を告げる見出しが躍っている。もし、電子書籍が多くの読者に受け入れられれば、今の事業形態そのものが成り立たなくなる。紙の本にこだわりを見出す「愛好家」「コレクター」が高齢化し、需要が落ちていくのも、時代の必然である。

「宝飾品売り場」ショーケースに並ぶきらびやかな商品が、女性客のハートをつかむ。

マニア垂涎のフィギア模型

  

未来へのチャレンジ ? 試行錯誤の先にあるもの、新たなる価値の創造 ?

 こうした課題を抱えつつも、橋本副社長は、おどろくほど「自然体」だ。これまで越えてきた幾多の困難が、身も心も「タフ」にしたのであろう。これからの自分の役割も、その責任の重さも重々承知している。その役割とは、「リサイクル業における新たな価値の創造」である。もちろん、新たな価値の創造など、一朝一夕に成し得ることではないが、そのための試行錯誤は、常に行っている。
 新しい試みは、当然、結果につながるかは未知数である。だから、みんな尻込みをする。しかし、橋本副社長は、率先して自らの手を、足を使い、「現場の空気」を変えていく。そこにアルバイトも副社長もない。やるべき人がやるべきことをなす。会社を変革するには「現場から」という強い信念が橋本副社長にはあるのだ。
 もちろん奇をてらうことばかりではなく、通勤、通学のサラリーマン、学生の目に留まるよう、市外を巡るバスにラッピング広告を施すなど、地域密着の、地元で一番のリサイクルショップであることを前面に押し出すことに余念はない。
 また、後進の指導も重要な課題だ。260名もの従業員数を誇るブックセンターいとうだが、正社員は30名ほどで、店舗数から単純計算をすると、1店舗あたり1?2名の社員で店を回していることになる。つまり、一人一人の社員の働きが、店の売上に大きく影響するのである。通常の商品販売に比べ、古本など中古品販売は、多くの経験と、幅広い商品知識が必要である。つまり、マニュアルでは表現できない、経験とカンがものを言う、云わば「職人芸」なのである。しかし、橋本副社長は言う。「確かに、従業員の皆さんには、多くを学び、経験と商品知識を身につけて欲しい。しかし、本当に大事なのは、お客様が何を欲しているのかを追求する姿勢、常にアンテナを張ることです。」
 しかし、橋本副社長が本当に部下に伝えたいのは、自分がアルバイト時代に、自分の裁量で仕入れた1冊の本をお客さんが喜んで買ってくれた、あの「感動」かもしれない。
 そして、偉大なカリスマ創業者の打ち立てた「知識のリサイクル」。この企業理念によって、ブックセンターいとうは今日の発展を迎えた。この「知識のリサイクル」に新たな命を吹き込むのが、後継者たる橋本副社長の使命である。
橋本副社長の挑戦に終わりはない。

「まんが売り場」人気漫画がすぐ目に入るように、ポップをつけたり、売れ筋ランキングを張り出したり、店内は、お客様を飽きさせない工夫でいっぱい。

お客様にいかにその商品の魅力を伝えるか…商品の陳列ひとつひとつにも、経験と幅広い商品知識、そして感性が必要となる。

  

◇◇◇ 編集後記 ◇◇◇

 取材当日、普段、外で会うときと変わらない、“ラフ”ないでたちで現れた橋本副社長は、文中でも述べたが、非常に自然体で、お客様からは、一目で「副社長」と決してわからない様子だった。肩書きだけで肩を怒らしている、巷の管理職などとは違い、橋本副社長の優しいまなざしは、お客様とスタッフのいる現場へ注がれていることを痛感した。決して口数は多くはないが、一つ一つの言葉に自らの思いを込める。言葉で通じなければ、自らが率先して動き、態度で示す。そんな橋本流の「現場主義」を垣間見た訪問だった。話の中では、苦労話や問題点についてなど課題に関する話題が多かったが、それでも、着実に利益を出し続けているのは、橋本副社長が現場から積み上げてきた努力の賜物であるはずだ。
 同じ、HFAの仲間として一緒に活動できることを誇りに思い、心から今後のご活躍を祈念したい。本当にありがとうございました。(徳丸)

 この100年に1度の「不景気」から逃れられない日本国の中で、着実に利益を出し続けている「ブックセンターいとう」の理由が垣間見えた気がした。
 素人考えで、古本業,リサイクル業は厳しいのでは?逆に不景気だから儲かるのか?という小生の質問に、橋本副社長はこう答えてくれた。
 景気がいい   → 新刊が売れ、古本の需要は低い。
 景気が悪くなる → まだ、市場に古本は出回ってこない。
 その後      → 入荷競争(入荷価格勝負)
 更にその後   → 市場の古本が、飽和状態になると、販売価格の低価格競争となる。
 ふむふむ、何の商売にしても厳しいことには変わりないことを考えさせられた企業訪問であった。ありがとうございました。(小川)

 立ち読み(漫画ではありません)が好きな私ではあるが、普段は新刊本が主で、あまり古書店に出向かない。(ただ、入手困難な本と専門書の場合、近所や神保町の古書店に出向く。橋本副社長ごめんなさい。)
 今回、第1回の記念すべき訪問先は、ブックセンターいとう本店であり、店の中を見せていただいた。古書店にしては、文科系の専門書が多く、びっくりした。聞けば、近所に通う大学生が、卒業時に置いて売っていくらしい。掘り出し物があるかもしれないので、今度時間をかけて訪れたいと思った。
 尚、橋本副社長によると、大学の専門書もサイクルが早く、学生が売りにきたとしても、もはや売り物にならない場合もあるらしい。それだけ、情報のサイクルも早くなっているということかと思った。
 また、電子書籍の普及も未知数なだけに、今後の古書店の動向もわからないと、橋本副社長は、iPadを操作しながら質問に答えていた。
 一方、現行の紙の本を裁断した後、スキャナーで取り込む新手のビジネスもあるらしい。商魂たくましい人は、社会が変化しようとも時流にあわせるだけのしなやかな人とも言えるかもしれない。(廣濱)

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